新規相談をゆっくり再開します

平素より当会の活動にご理解を賜り、誠にありがとうございます。

 令和6年春、報道機関の取材に応じて以降、複数の新聞報道をご覧になった方々から、「行政機関と結託して、弊会が市民の意思に反して金銭を不当に管理しているかのようだ」という印象を受けたとのご連絡やお問い合わせをいただきました。当時、記事を読んだ私の親戚でさえ同様の印象を持ったようで、相当に大きなインパクトがありました。
 弊会は事務所が所在する太田市のみならず、群馬県内の各市町村担当課と連携し、会員の方を対象とした支援活動を行っております。春先より、東京新聞、共同通信、しばらく後に朝日新聞などから取材依頼がございましたが、弊会は何らやましい行動をとってきたつもりはないため、当初は法人名と代表者名を公開したうえで、法令を遵守し、「利用者様の個人情報に配慮した取材協力」を行いました。ところが、この当然の配慮が、あたかも利用者にかかわる都合の悪い事実を隠しているかのような印象を与える記事になり、行政との関与範囲の線引きもあいまいなまま掲載されたことで、事実とは異なるイメージが一部で広まってしまったのではないかと推察しております。
 ほほえみの会は、長らく、生活保護を必要とされる方々を対象に、保護受給の実現のため支援を行ってまいりました。これは、活動のほんの一端を表すものですが、報道が与える印象とは、大きくかけ離れているのではないかと思います。弊会の実態は、弊会に思い込みを持たず取材を行うことで、充分に把握可能であったと考えます。取材にあたる記者がどのような調査を行えば、あのような記事になるのかという思いもありましたが、記者に悪意があったとは限らないと考え、静かに見守ることにいたしました。念のため、相互にとって無用な誤解につながらないよう、新聞社の記事掲載後、新聞社から来ている質問と弊会の回答を、先方にお断りをしたうえでホームページ上に掲載いたしました。掲載にあたりましても、個人が特定されるような質問があったものは掲載しないこととしました。

 弊会は後ろめたいことが何もないと考えていたため、当初、取材に積極的に応じた結果、法人名や代表者名まで新聞に掲載されることになりました。当初から電話取材はお断りし、書面で丁寧にご説明を差し上げてきたつもりでしたが、記事を読んだ方の中には事実と異なる印象を持ったまま、面識のない弊会に対して誹謗中傷を寄せる方もいらっしゃいました。

 一方で、会の評判を気にかけて「なぜ黙っているのか」と声をかけてくださる方も少なくありませんでした。しかしながら、身に覚えのない事柄であっても、私たちの主張が、誰かを傷つける可能性もあると考え、あえて声を上げずに静観する道を選びました。冷静に捉えれば、この状況はむしろ利用者様のために活動を見直す良い機会になると判断し、まず「行政機関と結託し、弊会が利用者の意思に反して金銭を不当に管理する」といった事例が本当に存在するのかを徹底的に検証いたしました。弊会は、利用者様の命こそ最大の財産と考え、その人権を守る活動を設立当初より一貫して行っております。仮に報道の示すような事実があれば重大な問題ですので、新規活動を一時停止し、慎重に調査を重ねましたが、そのような事例は確認されませんでした。最終確認を終えたのは7月末のことです。

 この時点で活動を再開することも可能でしたが、より良いサービスを利用者様に提供するため、相談依頼から利用開始までのフローを見直し、契約前に利用者様と弊会が立ち止まって「本当に必要なサービスなのか」「弊会の活動と利用者様のご要望が合致しているのか」を共に確認し、一層相互理解を深める仕組みを取り入れることにいたしました。その他にもシステム面の導入を進めていますが、新たに導入されるシステムにおいても、常に目の前にいる方と直接対話をするかのような姿勢を忘れないよう心がけております。ある記者の方にもお伝えしましたが、私たちは「相手との平等」「人権の尊重」といった理念は、理想を語ることではなく、また、システムによりもたらされるものでもなく、日常において、ただ相手の立場を想像し、少しでも傍に立ち続ける努力によってのみ実現可能だと考えております。これからも、利用者様と一緒に、この活動を続けていくために求められることを検討し、見直しに集中しました。

 なお、この間、行政機関が開催する第三者委員会でのヒアリングにも出席し、上記の内容を報告する機会がございました。

 最後に、弊会が新規のご相談を自主的に制限していたことで、利用者様や関係者の皆様からご心配や再開への期待のお声を数多くいただきましたことに深く感謝申し上げます。弊会は、これまでの活動を通じて、身元引受などで本当にお困りの方がいかに多いかを痛感してきましたので、そうした方々をお待たせするのは大変つらい決断でした。秋にかけて、他団体が断ったり受け手がいないような緊急性の高いご相談から順次受け付けを再開し、次第に、新しい体制に社員も慣れてまいりました。こうして、徐々に慣らしながら、新規利用者の正式な受け入れを再開できるところまで、ようやく戻ってこれました。

 弊会は、平成20年より設立当初の志を決して曲げることなく、今後とも利用者様のプライバシーと人権を尊重しながら支援活動を続けてまいります。この文章を読む方に、それぞれの立場があり、賛否両論があることとは思いますが、皆様におかれましては、今後ともご指導・ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

令和7年1月31日 

特定非営利活動法人 ほほえみの会 理事 酒井晃洋